[レビュー]群馬相手に痛快なゴールショー。實好ガンバが最高のスタートを切る
實好監督が新たに率いるガンバ大阪U-23が、パナソニックスタジアム吹田で躍動した。
トップに高と一美を新たに送り出したこともあり、新たな顔ぶれで群馬を迎え撃った若きガンバ。1ヶ月間の中断期間を挟んだチームでは中村や芝本らルーキーが新たに先発に名を連ねたが、立ち上がりから實好ガンバが目指す方向性をみせつける。「いい守備が出来るのは距離感がいいという証明。そうするとパスも回りやすくなる」と1トップを務めた髙木が振り返るように立ち上がりからアグレッシブな入りを見せて主導権を握ったガンバ大阪U-23は16分、山口のクロスを井出がシュート。「最初から自分が合わせるイメージだったが、こぼれ球を上手く蹴れた。この試合に賭けていたので」とトップでの再チャレンジを目指す中村が井出のシュートのこぼれ球を蹴り込んで先制に成功する。
ガンバの真骨頂が出たのは25分だった。市丸とともにボランチを形成した芝本が起点となり、井出に縦パスを供給。井出のラストパスを受けた妹尾が蹴り込んで2点を先行する。「立ち上がりからいい守備ができて、そこで2点を取れたのが大きかった」(妹尾)。宮本体制当時から球際の激しさと切り替えの速さは徹底されていたガンバ大阪U-23だが、ボールを能動的に動かすのがガンバ本来のスタイル。群馬が時折、ロングボール主体に攻め込むものの「ゼロで抑えたい」と意気込んでいた野田と西野が絶妙の連携を見せ、群馬に付け入る隙を与えない。
2点のリードを得て迎えた後半の立ち上がりこそ、群馬がややボールを握り始めたが56分、市丸が蹴ってピンポイントをFKを西野が頭で合わせて、試合を決定づけるも、結果に飢えた選手たちはどこまでも貪欲だった。60分に妹尾が強烈なシュートで自身2点目を狙いに行くと、71分にはこの日、前線で攻守にハードワークし続けた髙木の絶妙のクロスから、途中出場の福田がダメを押す。
ガンバユース育ちの星原が先発していた群馬は58分からガンバでACL制覇に貢献したベテラン山崎を投入。反撃に出るものの「無失点を意識していた」という谷を中心に守備陣も、懸命に体を張り、群馬に決定的なチャンスを与えない。「立ち上がりから最後まで集中力を感じるゲームだった」と實好監督は自らの初陣をこう振り返ったが4点のリードを感じさせない気迫と集中力で群馬をシャットアウト。失点どころか決定機さえ一度も与えない完勝で群馬を抜いて6位に浮上した。
「トップに貢献したい」。ヒーローインタビューで妹尾が口にした言葉はガンバ大阪U-23の面々の誰もが胸に抱く思いである。攻守両面で完璧だった90分。實好ガンバが圧巻のゴールショーでその初陣を飾った。
ガンバ大阪
・チャレンジのボールを増やす。
・立ち上がりのプレーをしっかり。
ザスパクサツ群馬
・ここからどうするか、やられっぱなしで終わるのか。やり返しにいかなかったらない。0-2、1点返すことによってこのゲームの流れは変わる。残り45分、男になろう。