[レビュー]今季初の3連勝。終盤の劣勢しのぎ、降格圏脱出も視野に
前節、神戸に逆転勝ちし、宮本体制で初の連勝を飾ったガンバ。「連勝はもう終わったこと。もう次の戦いを見ないといけない」と宮本監督はさらなる巻き返しを目指して清水戦を見据えていたが、今季まだ一度も手にしていない3連勝に向けて、立ち上がりからトップギアで清水ゴールに襲い掛かった。
前節も貴重な決勝ゴールを叩き出し、「これからも量産していく」と言い切っていたファンが、開始早々にその力を見せつける。
キックオフからわずか30秒足らずで、右サイドを攻略。渡邉が起点となったところに「ワイドのスピード感が出てきた。康介も徐々にフィットしている」と指揮官が期待を寄せる小野瀬が絶妙の抜け出しを見せ、ラストパス。ファンの一撃はクロスバーに嫌われたものの、相手のオウンゴールを誘発し、ガンバが幸先の良いスタートを切った。
韓国人エースが、2試合連続で存在感を見せ、3連勝に向けて先手を取ったガンバだが、その勢いは止まらない。3分には左サイドで再び起点となった渡邊のクロスを「運動量だけでなく、そろそろ数字という結果で示したい」と話していた小野瀬が際どいヘディングシュートを放ち、清水を脅かす。
「前半は入りもよく、集中力も高く、ボールをしっかりと動かす時間帯もあった」と宮本監督も及第点をつけたが押し込み続けた展開から26分、倉田のクロスを小野瀬が絶妙のヒールタッチ。走り込んだファンが、蹴り込んでさらにガンバが勢いづいた。
3点目を決める決定機を作り出しながらも、清水を突き放しきれなかった前半を終え、後半も立ち上がりはボールを握ったガンバだが「特に後半の前半部分というのは少し守備に回る時間が多かった。それによって体力をロスすることが多かった」(宮本監督)。トドメの3点目を狙いにいくがあまり、ボールロストも増加。徐々に清水に流れを握り返され、76分には1失点を許してしまう。
「前半に2点を取れて、楽な展開になるかと思ったが後半は1失点してからしんどい試合になった」(ファン)。やはりJリーグに楽な試合はあり得ない。もっとも警戒すべきドウグラスを中心にシンプルかつパワフルな攻撃を繰り出してくる清水に対して、自陣に釘付けになったガンバだが「残りのリーグ戦では割り切って戦うことも大事。とにかくしたたかに勝ち点を取らないといけない」と今野が話した言葉を選手全員が体現する。
ポストに2度救われるラッキーもあったが、ピッチ内の誰もが清水の猛攻に対してハードワーク。終盤での失点が続いた8月の戦いとは異なり、チームは泥臭く勝ち切る術を身につけ始めた。
3連勝で暫定ながら14位浮上。ガンバの巻き返しは、まだまだ終わらない。
清水エスパルス
・守備の時のプレスとフォローをしっかり
・ボランチを上手く使いながら攻撃しよう
・前を向いてプレーして後半取り返すぞ!
ガンバ大阪
・ボールホルダーへの守備をしっかり行おう。
・3点目を奪いに行くというマインドを持って戦おう。