[レビュー]ガンバの若い力が存在感発揮。浦和と接戦もPKに泣く
苦戦が続くリーグ戦とは対照的に2試合連続の大勝でグループステージ突破のチャンスが見えて来たガンバ。「ルヴァンカップは我々が目指す重要な大会」と言い切るレヴィー クルピ監督だったが3日後に控えるのは絶対に負けられない大阪ダービーとあって、今季初のターンオーバーを採用し、浦和を迎え撃った。
「全選手が最後まで全力を尽くし、一生懸命戦い抜いた」とクルピ監督が試合をこう振り返ったが、守護神の林や髙江が待望のトップデビュー。西野と菅沼が今季初めてトップでの先発を飾るなど出番に飢えた若い力に指揮官も賭けていた。
もっとも、常勝を義務づけられるガンバに「捨てゲーム」は一切ない。「浦和に勝てるメンバーを送り込む」(クルピ監督)。若手を起用しながらも要所には藤本や泉澤、米倉ら実力者が揃うガンバだけに立ち上がりからアグレッシブに浦和ゴールだけを目指した。
11分には泉澤が突破から強シュートで浦和ゴールを脅かすも、浦和は両サイドの外国人アタッカーの個で鋭い縦への仕掛けを繰り出して来る。
守備の修正が現在のガンバの課題だが左SBのオがマルティノスを封じ、ゲームキャプテンを務めた米倉が果敢に右サイドをアップダウンする。
21分にはマルティノスのボールを奪ったオが果敢に攻め上がり、鋭いショートカウンターを披露。オのパスを受けた井出が鋭く左足を振り抜くも、ボールはポストに嫌われる。
浦和のサイド攻撃に対して大崩れすることなく、トップ初先発の髙江も「ボールはしっかり回収出来た」とバイタルエリアで自慢の運動量を活かして、守備を引き締める。
スコアレスながら、拮抗した引き締まった前半を終え、クルピ監督は後半から食野を投入。先手を取るべくギアを上げたガンバだったが、攻め急ぐことなく、守備のバランスは崩さない。
「気持ちが皆には入っていたし、だからこそ最後のPKも自分の退場も悔やまれる」(米倉)。元日本代表の李やマルティノスらにも決定的なチャンスを与えることのなかった守備陣が唯一、ミスを犯したのは70分。鋭い飛び出しを見せて来た武富を西野がエリア内で倒し、PKを献上し、先制点を許してしまう。
最低でもドローに持ち込みたいガンバは残り20分あまりでの反撃を目指して髙木や福田を投入するも、浦和の堅い守りを崩しきれずにタイムアップの笛を聞いた。
「結果的に0対1になったけど、選手個々はしっかりと戦えていた」と振り返った米倉の言葉は決して負け惜しみではない。一瞬の隙に付け込まれ、浦和に競り負けたがその戦う姿勢は今後につながるはずだ。
ガンバ大阪
・ペナルティエリアの中にどんどん入っていこう。
・スペースがある時はボールを運ぼう。
浦和レッズ
・不用意なボールロストが多い。
・アクションの優先順位を整理しよう。
・落ち着きとスピードの変化、プレーの決断をしよう。